口と顔のトラブルに
内科的なアプローチ
で改善へ
口内炎や顔面痛に対応する口腔内科は、日本ではまだ耳慣れないかもしれませんが、海外では一般的な診療科目です。たとえば、「なかなか治らない口内炎」や「顔・舌が痛い」「味覚が鈍い」などの症状に対して、当院では経験豊富な歯科医師が対応し、症状に応じて医科や他分野のプロフェッショナルと協力しながらチームで治療を進めていきます。
口腔内科を熟知した歯科医師が、
お口の症状の原因と身体との関連を特定し、治療します
口腔内科とは、手術のような外科的処置はせず、口腔疾患の治療とその原因となる全身疾患の特定を行う診療科目です。下記では口腔内科の詳細やその重要性、扱うおもな疾患、口腔内科を受診すべき方について解説します。
口内炎や顔面痛を取り扱う「口腔内科」とは
歯科でできることは外科的な治療だけではありません。
当院が提供する口腔内科では、お口の中の症状に対し、全身疾患との関連や原因を特定し、手術のような外科的処置を行わず治療します。
たとえば口腔粘膜疾患(口内炎やドライマウス)、原因不明の顔の痛み、口臭のお悩みなどが、口腔内科に該当します。
口内炎は免疫力低下が一因のため、根本的な治療は外科的処置だけでは対応しきれない場合も多くあります。その場合、口腔内科として全身疾患を見据えた治療を行います。
口腔内科の特徴・重要性
口腔内科の特徴は、以下の点です。
対症療法ではなく、根本的な治療ができる
身体の中から健康になり、歯科疾患の予防にもなる
欧米では主流な診療科目ですが、日本での知名度はまだ高くありません。しかし口腔内科は、お口の中の症状に対して全身疾患から原因を特定し、本質的な治療ができるため、将来の疾患を予防できる重要な診療科目です。
口腔内科で扱う
おもな疾患
口腔内科では、下記のような疾患を治療します。
炎症 | 歯周組織の炎症、歯槽骨炎、顎骨周囲の炎症、口内炎など |
---|---|
口腔粘膜疾患 | 口腔カンジダ症、単純ヘルペス、口唇炎など |
唾液腺疾患 | 口腔乾燥症(ドライマウス)、唾液腺炎、粘液嚢胞など |
神経疾患 | 三叉神経痛、舌咽神経痛、顔面神経麻痺など |
口腔心身症 | 舌痛症、歯科治療恐怖症など |
顎関節疾患 | 顎関節炎、顎関節症など |
そのほか | 摂食嚥下障害、味覚障害、睡眠時無呼吸症など |
上記以外に、全身疾患がある方の口腔疾患の治療は口腔内科で対応します。
口腔内科を
受診すべき方
下記に当てはまる方は、当院の口腔内科を受診してください。
口内炎がなかなか治らない
顔に痛みがある
舌がヒリヒリする
口が渇く
それぞれ詳細を解説していきます。
口内炎がなかなか治らない
口内炎は、舌や歯肉だけでなく、口底や口唇、頬、口蓋などさまざまな場所に生じます。
また、口内炎といっても色みや形状などにより原因が異なり、口腔内科の専門的なトレーニングを受けた歯科医師でないと見分けることが難しい場合があります。
たとえば、白いものは扁平苔癬・カンジダ症・白板症の可能性があり、赤みがあるものは紅板症や外傷、骨髄炎の場合もあります。水ぶくれのようなものは、帯状疱疹などのウイルス感染や、尋常性天疱瘡などの自己免疫性水疱症が疑われることもあります。
特に口腔潜在的悪性疾患(OPMDs)と呼ばれる病気は、症状が悪化するとがんになる可能性もあるため、適切な治療が必要です。
舌がんは口内炎と間違いやすいのですが、自然に治ることはありません。
口腔内は食事によるさまざまな刺激を受けやすく、なかには治りにくい病気もあるので、早い段階で診断を受けることが重要です。
顔に痛みがある(顔面痛)
口・アゴ・顔などに感じる痛みを総じて「口腔顔面痛」といいます。むし歯や歯周病、炎症など明らかな病気の症状がなくても痛みがある場合、顎関節症や舌痛症のほか、顔面の神経痛にあたる三叉神経痛、片頭痛、群発頭痛などさまざまな原因が考えられます。
問診や検査で痛みの原因の特定を試みますが、すぐにわかるとは限りません。いくつかの原因が複合的に絡み合っている可能性もあります。そのため歯科はもちろん、全身疾患やメンタル的な原因も考慮しながら改善をめざす必要があります。
舌がヒリヒリする
舌のヒリヒリするような痛みや違和感は、明らかな傷や炎症が見られない場合、乾燥が原因にあったり、亜鉛・鉄・ビタミンなどの栄養素が不足している可能性があります。口腔内の乾燥のチェックや血液検査などで原因を探り、特定ができれば、保湿剤や服薬やサプリメントで栄養素を補い、食生活の見直しなどで改善をめざします。
また痛みの原因として、稀ですが舌の神経が圧迫されているケースもあります。その際は、薬物療法、症状によっては外科的治療も検討します。
舌の痛みにはさまざまな原因が考えられますので、違和感を感じたら当院までご相談ください。
口が渇く
口が渇くという症状は、唾液の分泌量の低下によって起こります。唾液が少ないと、口腔内の自浄作用がなくなって感染症にかかったり、食べ物を飲み込みにくくなる摂食嚥下障害のリスクが高まります。
口の乾きは、ストレスや筋力の低下のほか、やわらかい食べ物ばかり好んでしっかり噛まなくなったなど、さまざまな原因が考えられます。
シェーグレン症候群という自己免疫疾患や薬剤の副作用の可能性もあるので、根本的な原因を見極め、適切に治療することが重要です。
当院の口腔内科の
特徴
当院の特徴は、下記の通りです。
口腔内科を専門とする歯科医師による診療
口腔疾患の原因となる臓器疾患も視野に入れた検査
専門的な視点から高次診療施設とも連携
口腔内科を専門とする歯科医師による診療
当院には口腔粘膜疾患の治療で実績を重ねてきた歯科医師が在籍し、口腔内科の幅広い治療を行っています。患者さまの症状を丁寧におうかがいし、高水準の診療をご提供しますので、どのようなことでもご相談ください。
口腔疾患の原因となる臓器疾患も視野に入れた検査
通常、口の中のトラブルに他の臓器が関係しているときは大学病院などで検査が必要ですが、当院では臓器の検査にも対応しておりますので、患者さまの負担を軽減できます。また、必要に応じて当院アドバイザーの内科医と治療を進める場合もあります。(自由診療になります)
専門的な視点から高次診療施設とも連携
お口やお顔のトラブルは、口腔内だけの病気ではなく、全身疾患と関係している可能性があります。当院では専門的な知識と経験を持つ歯科医師が対応し、難症例の場合は、大学病院など高次な治療を行う診療施設をご紹介する体制を整えています。
歯科医院だけでは解決できないようなお口のお悩みもご相談ください。